以前よく利用していた市ヶ谷の暗室、カロタイプが12月で暗室業務を終了するということで、急遽暗室作業をしに行くことにしました。そのために暗室に持っていく未現像のフィルムを現像したんですが、自宅でフィルムの現像をしていたのは6年も前のこと。手順や薬品の扱い方など何もかもすっかり忘れてしまっていたので、以前書いた備忘録などを読みつつ思い出しつつやってみました。

フィルムの自家現像に挑戦してみた (2015.11.28)

パターソンのタンクとフィルムリール

中判とはいえ、35mmと違うのは大きさだけ。薬品の調合や温度管理などに違いはありません。ただリールが大きくなるので、手持ちの小型タンクでは一度に1本しか現像できません。ダークバッグの中での作業の仕方もすっかり忘れていたので、YouTubeでお手本を見てから本番のフィルムをタンクに詰め込みました。中判フィルムはスプールから切り離すときにテープを剥がすだけで済むので、はさみで切り離さないといけない35mmフィルムよりは簡単だし目隠しで刃物を使う必要がないので気が楽です。

現像風景

現像したフィルムは Fujifilm の Neopan Acros 100。現像液は Kodak の TMAX を使用しました。Massive Dev Chart で調べると摂氏20℃で5.5分とのことだったので、気温が低く温度が下がりやすいことと現像液の経年劣化を考慮して、1本目は6分で現像してみました。本日13時時点での気温は15℃。温水をしばらく放置してみて温度計を見ていると、大体2分で1℃下がるようです。平均で20℃くらいになるよう、現像開始時点での現像液の温度が22℃になるよう調整しました。停止は温水で1分ほどゆすぎ、定着は ILFORD の RAPID FIXER で3分、最後にぬるま湯で水洗しました。現像液の疲労を考慮して、2本目、3本目はそれぞれ30秒ずつ現像時間を長くしました。

うまく現像できた

しばらく放置していた現像液などが変質してしまってないか心配してましたが、フィルムベースはしっかり透明になってますし、黒もちゃんと黒いようです。6年ぶりにしてはうまく現像できたと思います。撮影したこと自体すっかり忘れていた友人夫婦のポートレイトがきちんと現像できたのは嬉しい驚きでした。