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35mmフィルムを長巻から自分で作ってみた

単品のモノクロフィルムは高いので、ランニングコストを下げるために長巻から自分でフィルムを詰めてみることにしました。昔は写真を本腰入れてやる人は皆そうしていたようですが、周りに詳しい人もおらず道具もなかったので、自分で調べてなんとか作った過程を残しておきます。

なお、フィルムを詰めるためにフィルムローダーというものが必要になりますが、Lloyd’sのFilm Loaderが安かったです(それでも造りの割に5千円は高いけど)。APなどのものは新品だと1万円以上します。中古でよければネットオークションをあたるのも良いかもしれません。

必要なもの

  • 使用済みのフィルムカートリッジ(または市販の空カートリッジ)
  • 長巻のフィルム
  • フィルムローダー(ディロールともいう)
  • ダークバッグまたは暗室
  • テープ
  • はさみ

下準備

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フィルムローダーに長巻のフィルムを詰めます。この作業は全暗で行わなければならないので、ダークバッグか暗室が必要になります。
今回は通販で安く手に入ったFOMAのFOMAPAN 400を詰めてみます。1巻で7千円ちょっと、1巻からは19本ほどが作れるそうですから、1本あたり400円弱になる計算です。
この長巻は缶に入っていてテープで密封されており、さらにフィルムは黒い袋に入っています。
フィルムローダーに長巻を収める作業は手探りで行うことになるので、まずフィルムローダーを開けて内部の構造を確認しておくといいでしょう。単に長巻をフィルムローダーに収めるだけでなく、フィルムの端をフィルムローダーの排出口から少しだけ出しておく必要があります。フィルムの端切れなどを使って目をつぶって練習しておくといいかもしれません(練習しました)。Lloyd’sのフィルムローダーは、遮光のためにウレタン素材が排出口に貼り付けられていて、ここにフィルムを通すのに少々コツがいります。しかしAPのものなどよりは比較的単純な構造なので、それほど難しくはないと思います。

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準備ができたら、まず長巻の缶のテープを剥がし、その缶とフィルムローダーをダークバッグに入れて閉じます。ダークバッグの中で缶を開け、袋から取り出しましょう。うまくいっていることを祈りながら手探りで長巻をフィルムローダーに収めます。ちゃんと収まったと確信したらしっかり蓋を閉じ、ダークバッグから取り出します。これで準備完了です。

フィルムを詰める

フィルムを詰める方法はいろいろあると思います。フィルム装填用の空のカートリッジに詰めるのも一つの手ですが、空のカートリッジが手に入らなかったので、フィルムの自家現像でできた使用済みのフィルムカートリッジを再利用することにしました。なおYoutubeで”bulk film loading”で検索すると、フィルム装填の実演映像がたくさん出てきて参考になります。これを踏まえて以下の方法でやってみました。

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フィルムの幅の2倍程度の長さにテープを切ります。

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これを長巻側のフィルムの裏側から半分だけ貼り付けます。

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使用済みフィルムの端をテープの反対に置きます。

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テープを折り返して表に巻きつけます。左側の端は一度折り返してタブ状にしておきます。こうしておくと現像でリールにフィルムを巻きつける時にテープを簡単に剥がせるので、ダークバッグの中ではさみを使う必要がなくなります。手探りではさみを使うの、緊張するんですよね。

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カートリッジをフィルムローダーに収めます。フィルムを少しカートリッジに押し込んでおくとやりやすいです。

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蓋を閉じ、ハンドルを挿入します。カートリッジの芯とハンドルの芯がかみ合うまで角度を変えつつ押し込む必要があります。このくらいまでハンドルが入ったらOKです。

フィルムローダーに貼ってあるシールに回転数と撮影枚数の表があるので、これに従ってカートリッジに入れたい分だけハンドルを回します。今回は10枚分だけ入れてみることにしたので13回転。36枚撮りにしたい場合は30回転ですね。

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巻き終わったらハンドルを抜き、カートリッジを出して適当な長さでフィルムを切り離します。終端をはさみでカメラのスプールに巻き取りやすい形に整えて完成です。ついでにフィルム名を書いたテープを貼っておきました。

撮影後現像してみた

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長巻をフィルムローダーに収めるのが少し難しいですが、それ以外はわりと簡単でした。現像してみたフィルムも特に問題なさそうです。FOMAPAN 400は粒状感は高いですがトーンの豊かさは悪くないと思います。たくさん使ってフィルムローダーの元を取らねば。

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なおLloyd’sのフィルムローダーのハンドルですが、買ったままだと軸の先端のエッジが立っていて非常に差し込みづらいので、やすりで面取りしておくと使いやすくなります。あとネジの部分は回りづらいので油差しておくといいです。このへんの雑な作りがアメリカンテイストです。

フィルムの自家現像に挑戦してみた

先月、日本写真学院でモノクロ写真クラスを受講して、フィルムの現像から引き伸ばし機を使ったプリントまでモノクロ写真の一通りの行程を習いました。で、プリントには暗室が要るのでおうちで気軽にってわけにはいかないのですが、フィルムの現像は必要なものさえあれば比較的簡単にできるようなので挑戦してみました。

現像にあたっては、モノクロ写真クラスでとったメモと、Silversaltのフィルムの現像手順を参考にしました。

概要

  1. 現像タンクにフィルムを巻いたリールを入れる
  2. 薬品やら水やらをタンクに入れたり出したりする
  3. 乾かす

簡単に言うとこれだけです。モノクロフィルムの現像は、カラーフィルムの現像に比べてかなり融通が効くらしく、ある程度いいかげんでも現像はできるようです。

用意したもの

現像用品

  • 現像タンク
  • リール
  • 計量カップ
  • メスシリンダー
  • 現像薬品の保存用ボトルx2
  • 現像液(Kodak T-MAX現像液)
  • 定着液(ILFORD RAPID FIXER)
  • フィルムピッカー
  • フィルムクリップx2セット
  • フォトスポンジ
  • 温度計
  • ダークバッグ(チェンジバッグともいう)
  • 時計
  • はさみ
  • 撮影済のフィルム
  • ネガシート

現像薬品は粉から作るタイプもあるのですが、調合がめんどくさそうなので原液タイプのものを購入しました。

現像タンクはパターソンのスーパーシステム4現像タンクで、リール2個つきです。ただ液温管理には熱伝導率のいい金属製のタンクの方が有利らしい。

現像用品のほとんどはSilversaltが良心的な値段だったのでこちらで購入。現像薬品とフォトスポンジだけヨドバシで購入。

現像手順

前日の夜に現像薬品をボトルに調合しておきました(その方が安定するそうなので)。現像液、定着液どちらも5倍に希釈して使います。600mlずつ作りたかったので、原液120ml+水480mlで使用液を作成。

停止液の代わりに水を使用しました。また、現像前の前浴、2回目の定着処理、水滴防止処理を省略しました。どれも必要性を感じてから組み込めばよさそうなので。

Kodakの現像データによれば、T-MAX現像液を使用してTRI-X 400フィルムを液温24度で現像する際の時間は4分45秒ということなので、これを現像時間の目安とします。

事前準備

ダークバッグ

  • 現像薬品を調合しておく
  • 風呂場を温めておく(冬なので)
  • 液温調整用のお湯を沸かす(夏場なら氷?)
  • フィルムピッカーでパトローネに入ったフィルムを引っ張り出す。ダークバッグに現像タンク、リール、フィルム、はさみを入れて閉じ、フィルムをリールに巻きつけて終端を切り、現像タンクに入れ、中ぶたを閉じる(遮光する)
  • 水を張った桶に薬品のボトル、現像タンク、温度計を入れる。液温管理はこの桶の水で行う。

パターソンのリールへのフィルムの巻きつけ方は、こちらの映像が参考になりました。

現像と乾燥

現像タンクと現像薬品

  1. 現像 (時間は現像液とフィルムによる)
    現像液をタンクに入れ、最初に30秒撹拌、[50秒停止・10秒撹拌]を繰り返し、終了15秒前に現像液排出(またはボトルに戻す)。
  2. 停止 (30秒)
    水をタンクに入れ、10秒撹拌、10秒停止、10秒撹拌。水を排出。
  3. 定着 (3分)
    定着液をタンクに入れ、最初に30秒撹拌、[30秒停止・10秒撹拌]を繰り返し、定着液をボトルに戻す。
  4. 洗浄
    水をタンクに入れ、5回反転して水を入れ替え。10回、20回で繰り返し。
  5. 乾燥
    フィルム上端をフィルムクリップで留め、吊るす。フォトスポンジでムラの無いように上から下に拭う。フィルム下端にオモリになるものを留める。乾燥が完了したら、適当なコマ数で切ってネガシートに入れる。

わかったこと

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  • 若いコマのフィルムの上辺が少し感光している。現像タンク内での遮光が完全ではなかったかもしれない。
  • この時期に自然乾燥させるとフィルムにかなりきついカールがかかる。風呂に少しお湯を張って湿度を上げると改善した。
  • 乾燥時にフィルムの拭い方が雑だと、フィルム上に水滴の跡が残り、しかも乾燥するまで非常に時間がかかる。フォトスポンジを均一に押さえて拭う必要がある。水滴防止剤か、蒸留水+アルコールを使った方がいいかもしれない。
  • フィルムの乾燥はクリップつきのハンガー(上の写真)で十分だった。オモリは普通の洗濯バサミでいい。フィルムクリップいらない。
  • Silversaltの記事を参考に、停止液の強度を使用前と使用後でテストしてみたが、クリアタイムに変化はなかった。ただし5本使用後はわずかにフィルムの透明度が落ちているようだ。
  • パターソンの現像タンクの蓋が固くて閉めるのにコツがいる。指が痛い。

現像を終えて

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今回現像したフィルムは、Kodak TRI-X 400が3本、ILFORD XP2が1本、Rollei RPX 400が1本の計5本。最初にTRI-Xを一本ずつ3回に分けて、最後にXP2とRPX 400をまとめて現像しました。XP2はカラーネガ現像できるモノクロフィルムですが、普通にモノクロ現像しても問題ないようです。

規定の現像時間(4:45)では、やや現像不足に感じられたため、2回目では現像時間を1分長めに取りました。また現像液は使い捨てにせず再利用したので、現像液の疲労度合いを考えて、以降の現像時間は30秒ずつ長くしました。すなわち

  • 1回目 4:45
  • 2回目 5:45
  • 3回目 6:15
  • 4回目 6:45

となりました。2回目以降のネガの濃度は問題ないようです。

昼の13時に始めて、洗浄まで終わったら17時になっていました。なかなか時間のかかる作業ですが、自分の手で写真を作っていく面白さがあります。最初の3回は1本ずつ現像したこと、試行錯誤しながらだったことを考えると、次回は半分くらいでできると思います。


2015/11/28 初出
2015/11/30 概要を追加
2016/03/09 リール巻き取り映像のリンクを追加