はじめに
数年前から気が向いたときだけ、せいぜい週1程度で瞑想には取り組んでいたが、あまり身になっている感じはしなかった。最近なんとなく混乱しているな、と感じた時、20分くらい静かに座ると少し頭がすっきりするので、ごくたまに瞑想してみるという程度のものだった。
先日「マインドフルネス 気づきの瞑想」という本を読み始めて、この本で紹介されているヴィパッサナー瞑想という瞑想方法をしばらく試してみることにした。数日やってみたところ、悟りを得るまではないにしても色々気づいたことがあったので、その記録を残していこうと思う。この日記はノートに書いたものを後から清書している。
1日目 午後2時/20分間
「マインドフルネス」を第五章(実践)まで読み、ノートにまとめた後で実際にやってみた。瞑想用のタイマーとしては「雲堂」という無料のアプリがあるのでこれを使っている。鼻孔を通る息、吸った後と吐いた後、お腹の動きに集中してみる。雑念がよぎっては呼吸に意識を戻す、の繰り返し。物音に注意を逸らされつつ、聴覚の刺激に心が直接に反応していることがかろうじてわかった。昔なにかで読んだ、自分の受ける刺激と、それに対する自分の反応とを完全に分けることのできる人の話を思い出し、瞑想が目指しているのはそのあたりなのかな、と考える。また意識を呼吸に戻す。後半は腹式呼吸を意識し過ぎたせいか、息をするのが苦しかった。自分の呼吸を制御しようとしてはいけないのだが、それはこの時点ではまだ本に出てきていなかった。呼吸を意識しすぎると、本来の自然な呼吸もままならなくなる。でもなんとか20分は姿勢を保たなければ、と思っていたところで終了の鐘が鳴った。後半は心地よさも時々はあったが、意識を失って寝てしまいそうにもなり、法界定印に組んだ手の親指同士がつくことも度々あった。また猫背になったり、肩がひどく緊張しがちだった。
1日目 午前2時/10分間
本の内容が今まで考えていた疑問にいちいち答えるもので面白く、寝る前にもう一度試してみたくなった。姿勢の悪さ、意図的過ぎる呼吸を直してみることにする。足がかたくて半跏趺坐(はんかふざ:ふくらはぎの上に交互に足をのせる坐禅の組み方)もできないが、なんとか近い形にして、布団の上で枕を丸めて坐布代わりにして座った。なるべく背筋がまっすぐになるように座り、姿勢が崩れていることに気付き次第姿勢を戻した。猫背は眠気を誘いやすいそうだ。呼吸ははじめ腹式呼吸を意識し過ぎていたが、最後には自然な(浅い)呼吸になった。前回こわばっていた肩の力が抜けたのは、呼吸が自然だったからだと思う。時間が経つにつれ、心があちこち飛び回ったので、本にある通りその都度呼吸に、特に鼻孔に集中を戻すようにした。瞑想が深まれば、つまり集中力が深まれば、心が飛び回ることが減り、呼吸はゆっくりになり、より明確に呼吸を観察できるようになるという。当面の目標はそこになるだろう。終わると右足が痛かった。眠気は感じなかった。第7章の「心で何をするか」は、実践の上でとても参考になりそう。本に特に指示がなかったので、手を法界定印に組むのはやめた。