六本木シネマートで公開された映画「日本と原発」を観てきた。数多くの原発関連訴訟を手がけてきた河合弘之弁護士が監督したドキュメンタリー。
原発の大きな問題のひとつは、そもそも興味が無いという人が多すぎるということにあると思う。より多くの人達に原発のことを正しく知って欲しい、そのためには映像しかない、という思いが監督の制作動機だったそうだ。実際、これからこの映像はその役割を果たしていくことになると思う。
福島であれだけのことが起き、またこれから電力的にも原発は不要になるにもかかわらず、なぜ日本政府は引き続き原発を動かそうとしているのか。原発をとりまく社会構造はどうなっているのか。報道が偏向するのはなぜか。原発の構造に始まり、基本的な知識から説明されていて非常にわかりやすい構成になっている。3.11以前から長年原発と向き合ってきた河合弁護士の語る言葉にはとても説得力がある。
少し残念だったのは、観客席を見渡した感じ、ほとんどが40歳以上のおじさんおばさんばかりだったことだ。原発の未来はそのまま日本の未来なのだから、若い人にこそ観て欲しいものだ。若い人達にどうやってアピールしていくかは、こういった作品の大きな課題になっていると思われた。
今日は上映初日ということで、河合・海渡両弁護士や飯田哲也らが上映後の挨拶に立たれ、日々難しい問題に直面していながらもユーモアを忘れない三氏の人柄が垣間見られて楽しかった。
原発に賛成の人も、反対の人も、また興味が無い人にも、ぜひ観に行ってもらいたいと思う。ただ、原子力ムラの息のかかっているメジャーどころの映画館での上映はまずないので、現在上映しているシネマート六本木での公開を逃すと観るのは難しくなるかもしれない。